コロナ禍が一向に収束しないので、今年は思うように外出も出来ず、客も呼べない酷暑の夏だ。
そんな中、近所に住む私の両親が、訳あって50日間も家を留守にすることになった。
そうだ!この夏は親の居ぬ間に、実家の大掃除に集中しよう!そう心に決めた。
親がいたら掃除などはかどらない。お喋りと料理で時間が過ぎていく。誰にも文句を言われずにひとりきりで掃除に集中出来るのはこれまた楽しい一大イベントではないか。
7月半ばから毎日、実家に通うことになった。先ずは庭の植物の水やりだ。スイカの苗まで植えてある。スイカのツルが5mほど伸びている。酷暑の中、放水するだけで汗だくになる。
そして各部屋に置かれた除湿機の水捨て。これも細腕にはかなりの重労働。
ひと息ついてから少しずつ各部屋の片付けを始める。
先ずはお風呂に通じる洗面所からスタート。
水回りが綺麗だとホテルのような居心地になる。理想は高くても毎日何度も使うところだから、ズボラな性格だと綺麗さを維持するのは難しい。使いやすくしさえすれば、清潔さを維持するのは容易だ。そしてホッと出来るスペースになる。鏡を見ながらゆっくり手を洗いたくなるような洗面所、パウダールームに変化させたい。理想は、帰宅して先ず最初の、ひと時の憩いの場。
洗面所を確認すると、古びたすりガラスの収納棚が昔のままだ。蝶つがいも壊れている。中はタオルや、石鹸などのアメニティ、ヘアカラー、一部の下着などが所狭しと押し込んである。よく見ると半分はゴミといってもよい。もの干し竿まで置いてある。
以前IKEAで見たある白い家具が頭をよぎった。その家具は細身で背が高い。今の中途半端な家具では収納にも限界がある。
そうだ!IKEAに行こう!
ということで、早速IKEAでお目当ての家具を見つけた。寸法を計ったところ、ぴったりだ。しかも脚の部分をひねると長さを調節できるデザインだそう。天井まで届く高さに調節できる。耐震にもなる。
やったね!
理想は膨らむ。
同じ家具を二つ注文して組み立てもしてもらうことにした。神さまのお導きか、以前見た時よりもSALEになっていたので助かった。
一週間後にIKEAの家具が運ばれてくる。洗面所の片付けに集中だ。収納棚の中身を出して分別し、いらないものは捨てる。掃除屋さんに来て貰おうかと思ったが、娘でないと親のいらないものは分からない。全て出したらこんなにメチャクチャで脚の踏み場もない。
ひとつずつ根気よく仕分けする。タオル類は全て洗い直す。百均で買ってきたプラスチックの容器に未使用の石鹸やら歯ブラシ、ヘアキャップ、カラー、ひげ剃りなど小物類に住所をつけて整理する。
古びたすりガラスの棚は捨てたいところだが、他の部屋の収納に使えるので、移動させる。女ひとりで重たい家具を別の部屋に移動させるのは大変だが、家具の下にバスタオルをひくと、えっちらおっちら案外楽に動いてくれる。
いよいよIKEAの家具到着。お兄さんが手際よく組み立ててくれた。中板が4枚あり、中央はガラス板でなかなかお洒落である。
同じものを二つ並べるスペースはないので、それぞれの箇所に置いた。ドアの表面部分が幾何学模様の凹凸になっていて、なんだか洒落ている。全体がスッキリ見える。眺めていると備え付けの高級家具に見えてきた。壁のタイルと色柄がマッチしている。
やったね!
タオルをふた折して重ねて綺麗に収納し、百均プラスチックの容器も収納完了。なんとまぁ、ホテルのように片付いたではないか。IKEA様々である。
この洗面所に設置されているトイレ。
数年間使っている気配がない。トイレのふたの上にまでバスタオルやら下着やらパジャマなどが積み重なっていたのである。トイレは他にもあるので、両親はそちらを専用にしていて、こちらのトイレは役目を果たしていなかったようだ。
フタをあけると、予想通りに黒いリングがくっきり。水が流れてくるところにも川の字に水アカが目立つ。写真には薄くしか写らないが、実際はかなりの恐怖の汚れ具合だ。
早速ゴム手袋をして掃除に取り掛かる。こういう時にはホームセンターなどで売っているサンドペーパーが頼りの綱である。サンドペーパーは目の細かいものから粗いものまである。便器は陶器なので、傷がつきやすい。陶器の表面の汚れを優しく磨ける目の細かいものを選ぶ。
水を含ませながら、優しくこすり続けると水アカがみるみる落ちていく。
便器の前で約一時間の奮闘。すっかり新品に戻ったよ。ふぅ、指が痛い。先ずは、洗面所が隅々まで綺麗になりました。
最後の仕上げに床を丁寧に磨きあげ、フローリングに二回に分けてワックスを重ね塗りした。ピッカピカだ。
それにしても、大掃除とは達成感があり、精神衛生上とても気持ちの良いものである。免疫力アップ、女子力アップ、主婦力アップにも磨きがかかるナイスな労働ですね。そして痩せる。一石三鳥だ。しかも筋力アップ!
次は、客部屋に移動しますね。客部屋はもはや、物置と化していて勿体ないスペースなのです。トホホ…。
つづく